TiN-Tech(チタンテック)ロールは、セラミック溶射コーティングに変わるまったく新しい表面処理方法を用いたロール製造技術です。
チタンの粉末をコールドスプレーという定着技術によりベースロールへ積層させた後、レーザーシステムを使い研磨、彫刻、そして窒化(硬化処理)を同時に行い、窒化チタンの表面処理が得られる特許技術(PAT.P PCT/AU2013/000114)です。
- 主な特徴
- 工程の簡素化による早い納期、コスト削減
- 表面へマイクロポーラスやマイクロクラックが発生しない為、インク離れの改善と洗浄効率向上
- 部分的破損の場合、その一部だけの補修が可能
- ほとんどの化学薬品類に不活性で高い耐腐食性
- セラミックに迫る耐摩耗性。硬度HV1600以上を達成
- 1mm以上の皮膜厚さが可能
- 追加研磨なしで表面粗さRa0.2まで仕上げ可能
- 有害物質を含まず、制作時から使用時まで低い環境負荷と安全性
- コールドスプレー
- 新しいマテリアル積層技術。チタン粉末を高速で対象へ吹きつけることで衝突エネルギーにより積層する。 マテリアルの損失がプラズマ溶射に比べて非常に少なく、また理論上は何mmでも積層する事が可能。 また、CFRPを除くあらゆるベース材との密着性が高く、コストのかかる前処理が不要。
- マイクロポーラス・クラック
- 非常に微細な多孔質構造やクラック。セラミック溶射やハードクロームメッキに見られ、洗浄水や攻撃性の強い薬品がここから浸透し、ベースロールの腐食の原因となる。また、多孔質へインクがしみこむ事により洗浄性が悪くなる原因となる。チタンテックロールでは発生しない。
- チタン
- 鋼類に比べ比重が小さく(0.6倍)、非常に高い耐食性と無毒性を備える。熱伝導率も低い。
- TiN(窒化チタン)
- チタンを窒化処理し耐摩耗性を向上させたもの。ドリルビットの刃先等にコーティングとしても用いられる。
- 窒化処理
- 金属を熱をかけながら窒素雰囲気へ暴露させ、表面へ窒素を浸透させる表面硬化処理。
従来は処理槽などを使い処理しており大型の物に対してはコスト等がかかっていたが、ここでは特許技術によりレーザーを使って処理を行う。